2020年7月26日日曜日

『星の森に住む象』(『宇宙の森の物語』より)

ミティラー美術館活動を始める前に制作した絵本『宇宙の森の物語』より『星の森に住む象』をご紹介します。




星の森に住む象

 

とおいとおい宇宙の奥には、星の森があった。そこには、一本のきばを持った大きな象が住んでいた。

ある日、その象が森を散歩していた時、星のぬかるみにはまってしまった。 象はそこからぬけ出ようとしたけれど、もがけばもがくほど、星のぬかるみに埋 ってしまい、とうとう死んでしまった。


 星と星との距離がとおい空間





象の体は、みんな星になって散っていたが、白いきばだけは、なかなか星になることができなかった。その白いきばは、ひとつの星にひっかかっていた。

とても長い間そのままでいたが、ある時その星が動くと、字面の底にすうっと、どこまでも落ちていった。

その時、宇宙でもっとも大きな流れ星があったといわれている。