2020年8月5日水曜日

パッチュラくんと星の仙人 (3/3)


『パッチュラくんと星の仙人』を紹介します。
これまでのお話しは(1/3)(2/3)








星の数ほど あるものは

星の影に ちがいない

 

宇宙の影が

青い星ならば

海の影は

青い魚たち

 

ひとつの星にはすべての星の影が

 

光り輝く 星の数ほど

ひとつの 星には

すべての 星の影が

あるに ちがいない





三本椰子の島に

星が飛んで ゆくころ

椰子の木影は

水平線に

延びゆきて

ピララ トウーン ピララ

 

水平線にとどく椰子の影


 

海をあけに 染める

太陽が 沈むころ

青緑のサンゴの海に

いく千条の光放ち

ピララ

満月が

昇ってくるよ

ピララ ピララ





たとえ星に 聞こえる声を 出したとて

天界に 星を吹く風が 荒れたとて

はたまた

星を食べる 魚がいたとて

カニが 月の松明たいまつをもったとて

 

話を聞きにきた星


 

不思議な話を

星が聞きに やって来たとて

海風は 休むことなく

青波のように

とどまる ことのない 椰子のうた





誰が投げたか

宇宙に 投げた石

ヒカ ヒカ

青い 波紋はもん

ただ 浮船うきぶねのように

ヒカ ヒカ

 

星の海に眠る


此処は 夜空の底

星の散りばめた宝物

モスジット(青い宮殿)の

を明けて

星の海に眠ろうか

ケララ ケララ ケララ





そのうち

星の 聴衆が

多くなると

闇夜は

 

星が多くなると朝になる


 

星の光に

朝になるよ





まぶしきものは 太陽

光は

眠りをさま

闇は

瞳を閉じる

ル ルレーラ ル ルレーラ

 

朝起きて君と会うのが楽しみだ


 

起きて

君と会うのが

楽しみだ

ル ルレーラ ル ルレーラ





星の路は 閉じることがある

いつも あるわけは ない

あんなに星のそばに いても

あんなに星に 囲まれても

あんなに星に 近くあっても

ある不思議な心地に

いつも いないと

 

星に歩く



星は いつもあるもの

海は いつもあるもの

我は 星になりたいもの

トン